美容外科・皮膚科のニキビ治療、注意点は?

病院でのニキビ治療は、皮膚科と美容外科では、どのように違うのでしようか?

使う薬や施術方法によっては、リスクを伴うものがあるので注意が必要です。

 
病院の選び方や注意点など、セルフケアで行き詰ったときに役立つ「病院でのニキビ治療」について解説します。

ニキビ治療での皮膚科と美容外科の違い

皮膚科と美容外科のニキビ治療では、費用や施術内容などで、どのような違いがあるのでしょうか?

保険診療と自由診療

皮膚科は健康保険が適用されますが、美容外科は全額自己負担の自由診療となる場合がほとんどです。

皮膚科でもケミカルピーリングなど一部は自由診療ですが、外用薬も内服薬も健康保険が適用されるものが大部分です。

 
美容外科での機器を使った施術に健康保険は適用されません。また皮膚科と同じ薬を機器と併用する場合も、自由診療あつかいになります。

これは、同じ病気の治療で保険診療と自由診療を組み合わせる「混合診療」が認められていないからです。

薬で治すか機器を使うか

皮膚科では外用薬や内服薬での治療が中心になり、美容外科ではレーザー治療や光線治療などの医療機器を使う治療が中心になります。

美容外科の治療費は、高額な機器を使う自由診療なので、1回数万円、治療終了までに数十万円かかることも珍しくありません。

 
一方で皮膚科の保険診療の治療費は、薬代を含めて1回3,000円前後が普通です。

皮膚科では通算の治療費の見積もりなどは行ないませんが、美容外科では治療開始前に治療費の総額を見積もって、患者と相談するのが通常です。

 

皮膚科でのニキビ治療

皮膚科でのニキビ治療はどんな流れで行ない、どんな薬を使うのでしょうか?

初めて受診したときの流れ

最初に皮膚科を受診するときは、以下のような流れになります。

皮膚科を受診する際の流れ

  1. 健康保険証を持って初診受付
  2. 問診票に記入
  3. 診察
  4. 薬の処方・使用法の指導
  5. 次回の診察の予約・会計

診察ではまず医師から、これまでの症状の推移や、どんなセルフケアをしていたか等を聞かれます。

医師からは薬の使用法だけでなく、自宅でのスキンケアについての指導もあります。

 
ニキビは薬の使用だけでは根絶できないので、指導を守って正しいケアをすることが大切です。

主に使われる治療薬

皮膚科で 主に使われるのは外用薬(塗り薬)で、必要に応じて内服薬が処方されます。

外用薬でよく使われるのが、角栓の予防・除去に効果がある「アダパレン」「過酸化ベンゾイル」「レチノイド」です。

 
また、炎症を抑える抗菌薬の「クリンダマイシン」「ナジフロキサシン」「オゼノキサシン」も処方されることがあります。

過酸化ベンゾイルは、塗った後に酸素を発生させ、酸素を嫌うアクネ菌を殺菌する作用もあり、アメリカではニキビ治療の第一選択薬になっています。

 
日本でも2014年に保険適用が認められました。

炎症前の面皰(めんぽう)=白ニキビの治療には、角栓を取る薬が使われ、炎症ニキビ(赤ニキビ、黄ニキビ)には、角栓を取る薬と炎症を抑える薬の両方が使われます。

 
とくに炎症が強い場合は、内服薬の抗菌薬「ドキシサイクリン」「ミノサイクリン 」が処方されることがあります。

外用薬では、抗炎症効果が高い、ステロイドを配合した「リンデロン」が使われる場合があります。

本当に安全?ニキビ治療薬 「リンデロン」の副作用は?

ニキビ治療の際に皮膚科で処方される薬の一つに、「リンデロン」というものがあります。 医師から処方される塗り薬ですが、ステロイドが配合されており、副作用が心配な人 ...

漢方薬、スキンケア用品

皮膚科では、症状によって漢方薬が処方されることもあります。また、ビタミン剤やスキンケア用品が出されることもあります。

皮膚科学会のニキビ治療ガイドラインで推奨されている漢方薬は、「荊芥連翹湯」(けいがいれんぎょうとう)という薬で、ニキビの炎症を抑える効果があります。

 
またビタミンC剤やビタミンB剤が処方される場合もあります。

化粧水や保湿クリームなどのスキンケア用品も必要に応じて出されます。

面皰(めんぽう)圧出とは

面皰圧出は、ニキビを圧迫して、ニキビの中身を取り出す施術です。

ニキビの中心に小さな穴をあけて、面皰圧出器という器具で毛穴に詰まっている皮脂と角栓を押し出します。

 
主に炎症前の白ニキビや黒ニキビに行ないますが、炎症が始まった赤ニキビに行われることもあります。

施術に強い痛みはなく、ニキビ跡になることもありません。

 
面皰圧出は保険が適用される施術で、自己負担分はニキビ1個で300円程度です。

面皰圧出以外の皮膚科の施術では、保険が適用されないケミカルピーリングがあり、1回1万円前後の費用がかかります。

 

美容外科でのニキビ治療

美容外科でニキビを治療するのは重症の患者が多く、とくにニキビ跡の改善を望む患者がメインになります。

ニキビ跡の治療はどのような方法で行なわれるのでしょうか?

赤いニキビ跡の治療

赤いニキビ跡は、炎症後色素沈着と呼ばれる症状で、メラニン色素の沈着によって生じます。

炎症後色素沈着は、数か月すれば自然に消えるものがほとんどですが、炎症によって活性化したメラニン生産が中々正常に戻らずに長引く場合があります。

 
美容外科では、「皮膚のターンオーバーを促してメラニンの排出を早める」、「できたメラニンを漂白する」などの方法で炎症後色素沈着を治療します

最も多い施術は「ケミカルピーリング」で、角質の剥離を促がす薬剤を塗って、ターンオーバーを活性化させます。

 
イオン導入器という、ビタミンCなどの美白成分を肌に浸透させる機器もよく使用されます。

ハイドロキノンやレチノイド(ビタミンA)を配合したスキンケア用品の処方や使用の指導も、クリニックでの施術と平行して行なわれるのが普通です。

硬くて痛い…しこりニキビかも!皮膚科に行くべき?

見た目は何ともないけれど、実際に触れてみるとしこりのようなものがあり、触ったときに痛みを感じる… そんなしこりニキビの予防・改善策について紹介します。 痛いしこ ...

クレーター状のニキビ跡の治療

真皮層にまでダメージが及んだためにできたのが、クレーター状のニキビ跡です。

美容外科でも完全に修復することはできませんが、ある程度目立たなくすることは可能です。

 
クレーター状のニキビ跡の治療には、「レーザー治療」「ダーマペン治療」などがあります。

レーザー治療は皮膚に熱を加え軽い火傷を起こすことで、自然治癒力を高めて、皮膚組織の再生を促す施術です。

 
ダーマペンは、皮膚に細い針を刺して再生因子を注入し、組織の再生を促がします。

この他に「臍帯血(さいたいけつ)」を注射して組織の再生を活性化する施術もあります。

 
クリニックによって行ってる施術の種類は様々です。

 

病院のニキビ治療の期間とリスク

病院でのニキビ治療はどれくらいの期間がかかり、どのようなリスクがあるのでしょうか?

治療期間

皮膚科でのニキビの治療期間は、早ければ2~3回の通院で終了しますが、数か月から半年くらいかかることも珍しくありません。

皮膚科の方針や医師との相性もあるので、中々改善が見られず、治療が長引くようなら、病院を変えることを検討する必要もあります。

 
ニキビ治療では、皮膚科を変えることで劇的に症状が良くなるというケースがしばしばあります。

美容外科でのニキビ治療も1回の施術では終了せず、一定の期間を置いて5~10回程度の施術が必要なものがほとんどです。

美容外科でのニキビ治療のリスク

美容外科でのニキビやニキビ跡の治療は、皮膚科では得られない大きな効果が期待できる反面、リスクも伴います。

レーザー治療は皮膚に軽い火傷を負わす施術なので、めったにないとはいえ、出力を誤ったときの火傷のリスクがあります。

 
またレーザー治療後は、半数くらいの人にある程度の期間、炎症後色素沈着が生じます。

化粧品では許されていない配合量のハイドロキノンなども使わるので、白斑などが発生することもないとは言えません。

 
美容外科で治療を受ける前に、リスクについてあらかじめ医師から説明を受けておくことが大切です。

ダウンタイムとは

ダウンタイムとは、施術後に普通の日常生活に影響がでる期間のことです。

レーザー治療では、術後にカサブタができ、それが自然にはがれるまでに10日前後かかります。

 
また術後2~3ケ月は肌のバリア機能が低下するので、保湿や紫外線対策をしっかり行う必要があります。

ケミカルピーリングの後もバリア機能が低下するので、同様の注意が必要です。

 
美容外科での施術を受けるときは、例えばレーザー治療は紫外線が強い夏は避けるなど、ダウンタイムを考慮して治療計画を立てましょう。

美容外科・皮膚科の治療の関連記事

ニキビ跡治療、皮膚再生治療(PRP療法)ってどんなもの?
韓国発!美容医療「ダーマシャイン(水光注射)」ってどんなもの?
ニキビ跡の改善にも!鍼(ハリ)やお灸の美容効果は?
ニキビは美容点滴、注射で改善できる?

<その他の関連記事>
「美容外科・皮膚科の治療」の記事一覧

 
ニキビの治療では、思い切って病院を受診するのがベターな場合があります。

皮膚科や美容外科でどんな治療が行われるかを知っておくと、病院へ行くタイミングの判断にも役立ちます。