ニキビは症状のレベルにしたがって、さまざまな種類に分けられています。
ごく初期のものが隠れニキビ、毛穴内部の角化が進んだものが白ニキビ、毛穴内部の皮脂が酸化したものが黒ニキビです。
黒ニキビまでは日頃のケアで比較的簡単に症状を鎮めることはできますが、赤ニキビのように炎症ニキビへと悪化してしまった場合は少々厄介です。
ここでは、炎症ニキビの症状や予防・改善方法についてお話したいと思います。
目次(もくじ)
赤くて痛い・・・これって炎症ニキビ?
赤く腫れあがり根をはったような痛々しいニキビができたことありませんか?
これは、思春期の頃に現れやすい炎症ニキビというものです。
炎症ニキビは、別名赤ニキビとも言われますが、毛穴内部でアクネ菌が繁殖し赤く炎症を起こした状態を言います。
また、炎症による化膿が起こり毛穴内部が破壊されてしまうと「化膿ニキビ(黄ニキビ)」へと状態はさらに悪くなります。
つまり、炎症ニキビ(赤ニキビ)と化膿ニキビ(黄ニキビ)は白ニキビや黒ニキビから症状が進行・悪化した状態ということです。
こうしたニキビを治すにはどのようなケアをすればいいのでしょうか?
炎症・化膿ニキビのケアは「ふんわり泡洗顔」が基本!
炎症ニキビと化膿ニキビのケアで、まず第一に注意しなければいけないのは「強い刺激を与えない」ということです。
この段階のニキビでは毛穴内部の毛包という部分で皮脂をエサにアクネ菌など細菌が繁殖しています。
それと同時に、好中球という白血球の一種が細菌を抑えようと活性酸素を放出して毛包内部で炎症も起こっているのです。
こうした状態のニキビに手や指で触れたり、洗顔時に力を入れて洗ったりすると刺激が加わり、炎症がさらに悪化したり化膿が進んで毛包壁の皮膚組織が破壊されます。
そのため、刺激を与えないように「手や指では絶対にニキビに触らない」、「洗顔はふんわり泡を立てて優しく行なう」ことが大切です。
できればメイクはお休みしたい!
炎症ニキビはお肌を清潔な状態にしてあげることが改善への近道です。
ですので、できればメイクは避けたいところですが、仕事もあるしすっぴんはNGという方がほとんどですよね。
せめて、お休みの日はノーメイクで過ごしましょう。仕事がある日も、メイクは極力ナチュラルで控えめにしてください。
ファンデやコンシーラーを叩き込んで炎症ニキビをカバーする、なんてことは絶対に止めてください。
下地や日焼け止めの後は、カバー力はやや落ちますが、軽い付け心地が魅力のルースパウダーやフェイスパウダーで仕上げると良いでしょう。
この時ばかりは、パフやブラシも洗い立ての清潔なものを使いたいところです。
炎症・化膿ニキビはビタミン・ミネラルの摂取が有効!
もうひとつ、炎症ニキビや化膿ニキビを治す方法として効果があるのが、「ビタミンB2やミネラルの亜鉛を摂取する」ことです。
ビタミンB2には代謝を促す作用があり、皮膚の正常なターンオーバーをサポートしてくれるタンパク質・脂質・糖質の分解を効率化する補酵素として働いてくれます。
また、亜鉛も皮膚のターンオーバーに関係のあるミネラル類で、タンパク質の合成に関与する酵素に不可欠な存在として皮膚のターンオーバーを応援します。
ビタミンB2を多く含む食物としては豚レバーやハツ、サバの開き干しなど、亜鉛を多く含む食品としては生牡蠣、牛肉、卵黄、焼きタラコなどがあります。
サプリで手軽にビタミン・ミネラル摂取!
ビタミンB2は体内に蓄積できないという特徴、亜鉛はニキビ予防にも効果が期待できるという特徴があります。
食事として摂りにくい場合はサプリメントとして摂取してもいいでしょう。
炎症・化膿ニキビを抑えるにはニキビ化粧水が効果的!
ニキビ化粧水は、ニキビの予防、改善効果などがあります。
ニキビ化粧水をつかったら誰でもすぐにニキビの炎症を抑えられると言うわけではありませんが、毎日地道に使っている人は、高確率でニキビ肌を改善しています。
ニキビの炎症を抑える成分を配合したものや、肌のターンオーバー促進・皮脂分泌の抑制・ニキビ菌繁殖の抑制といった効果が期待できる「ビタミンC」を配合した商品を選びましょう。
また、成分浸透率が高く、肌の奥までしっかりと届くものを選ぶこと、肌への刺激が少ないものを選ぶことも、炎症を改善する化粧品選びのポイントです。
化粧水で簡単ビタミンチャージ!
手軽にできる炎症ニキビや化膿ニキビの治し方として、「ビタミンC誘導体の化粧水を使用する」という方法も効果が期待できます。
ビタミンC誘導体は皮膚科や美容外科のニキビ治療にもよく用いられている成分で、スキンケアにも有効なビタミンCをより皮膚に浸透・吸収しやすく合成した物質です。
このビタミンC誘導体には皮膚のターンオーバーを促し、皮脂分泌をコントロールしたり色素沈着を防ぐ働きもありますのでニキビケアにはピッタリの成分といえるでしょう。
炎症ニキビに効果的な成分は、ビタミンC誘導体の他にも様々あります。
オウゴンエキス、カミツレエキスなど、炎症抑制効果がある天然ハーブ成分ならば、肌への刺激も少なく、乾燥肌の方でも安心して使用することができます。
このような対策をして炎症は治っても、ニキビ跡が残ってしまった、というときでも、美肌をあきらめる必要はありません。
今度はニキビ跡化粧品を利用してケアしていきましょう。
炎症ニキビは冷やすと言いって聞いたけど・・・それって本当なの?
ニキビには、その症状の進行に応じて各段階があり、それぞれの段階に応じて適切な対処法というものがあるのですが、いっぽうで間違った対処法が広まっているのも事実です。
ここでは「炎症したニキビは冷やすといい」という情報について、その真相を究明したいと思います。
冷やすと良いのは「火傷」
炎症したニキビというのは、発赤や化膿をのもない、手で触っていなくても熱感をともなう場合があります。
この熱感のために、火傷の治療と同じように、患部を冷やしたほうが良いのではないか、と思ってしまうのは、人の感覚として、ある意味自然かもしれません。
しかし、それが本当に炎症したニキビへの正しい対処法であるかと言えば、話は別です。
火傷の患部を冷水などで冷やすことに意味があるのは、火傷を負った瞬間に皮膚が持った熱が、周囲の組織を破壊してしまうのを少しでも抑えるためです。
したがって、火傷ですら、その冷却に意味があるのは、火傷を負った直後だけであって、その後にいくら冷却をしても、特に意味はありません。
炎症ニキビには効果なし
ニキビに関しては、なおさらのことです。炎症したニキビがもたらす熱感というのは、患部の血管が拡張し、その血流が増加することに原因があります。
患部の血管が拡張するのは、拡張した血管の表面から白血球が染みだし、菌の進入からからだをまもる免疫反応の一環です。
ちなみに炎症したニキビが赤みを帯びるのも、血管の拡張が原因です。
つまり、炎症したニキビがもたらす熱感というのは、火傷において熱が身体組織を破壊する際の痛みとは、まったく別種のものなのです。
したがって、この患部を冷やしてしまうことに、意味はありません。
それどころか、炎症したニキビを冷却することは、免疫反応の一環としてせっかく拡張した血管を、ふたたび収縮させてしまうことになりかねません。
たしかに血管が収縮すれば、患部を菌から保護するための白血球がしみ出す量が減り、化膿の度合いはおさまるかも知れません。
しかし、それは正常な免疫反応を阻害することになりますから、炎症の長期化をもたらす可能性もあります。
さらに血管の収縮は炎症により、破壊された組織を再生するための新陳代謝を遅らせてしまうことにもなります。
とりわけ、冷水によって患部を冷やすという作業は、おすすめできません。
洗顔は1日2回で十分であることがよく言われているように、必要以上に肌を濡らしたり乾かしたりすることは、肌の乾燥を招きます。
Q.なんで、水泳選手はお肌が綺麗なの??
よく、水泳選手は肌がキレイなどと言われていますよね。
上では、洗顔のしすぎや必要以上に肌を濡らすと逆効果となると言っていたのに、水に触れる機会が多い水泳選手はなぜ肌が綺麗なのでしょうか?
水泳選手はトレーニング中、ずっと水につかっていますから、トレーニングのあいだは肌表面の水分が保たれています。
これに対し、一日に何度も、肌に水をつけては、タオルで拭いて乾かすという作業を繰り返すことは、肌を乾かすたびに水分と一緒に必要な油分まで蒸発させるのと同じことです。
したがって、水泳のトレーニングとは真逆に、肌表面を乾燥させてしまうだけになるということです。
以上のように、炎症したニキビのケアとして、その患部を冷やすという方法は有効でないどころか、場合によってはニキビを悪化させることにもなりかねません。
炎症したニキビの適切なケアというのは、ニキビ肌専用の化粧水などで地道にスキンケアを続けることであり、患部をいたずらに手でさわらないことです。
ましてニキビをつぶすようなことをしては、絶対にいけません。
もしニキビの熱感や痛みがひどい場合には、間違っても自分で冷やすなどということはせずに、皮膚科に行くことをおすすめします。
そこまで症状が重くならないうちに、自宅でもできるニキビケアの方法として、ビタミンC誘導体などが含まれたニキビ化粧水を使ってみるのも有効な方法といえるでしょう。
- ニキビを正しくケアして炎症ニキビを予防する!
- 清潔が第一!ニキビは絶対に手で触らないで!
- 炎症ニキビは冷やすよりも化粧水で適切な処置を!