ニキビの有効成分、サリチル酸の効果と副作用は?

サリチル酸のニキビへの効果

ニキビケア用の化粧水や洗顔料に使用される成分の代表的なものに「サリチル酸」があります。

数百円程度のドラッグストアで購入できる化粧品から、ニキビケアで有名な洗顔料、さらに高価な化粧品にまで広く使用される成分です。

 
これだけ使用されるのは当然、ニキビ対策に効果があるためと思われます。

しかし強い効果の反面には、副作用の心配はないのでしょうか?

 
ここでは、サリチル酸とはどんな成分なのか、ニキビへの効果のポイント、そして注意したい副作用リスクについての情報をまとめます。

サリチル酸とはどんな成分?

古くから利用される化学物質

「サリチル酸Na」「ヒドロキシ安息香酸」などと呼ばれるサリチル酸は、ナトリウムフェノキシドと二酸化炭素を加熱加圧化で反応させることで生まれる、合成有機化合物です。

医療的には、非ステロイド系抗炎症薬として扱われます。

 
もともとはセイヨウシロヤナギの樹皮から結晶として発見され、1700年代から使われている、長い歴史がある物質です。

薬事法に基づいて効能があると認められた「有効成分」であり、「その他成分」とは分けて成分表示しなければならないルールとなっています。

サリチル酸の利用法

殺菌防腐作用・角質溶解作用・抗炎症作用があることで知られ、これまで医薬品や化粧品、食品などの防腐剤として広く使用されてきました。

ただし、サリチル酸を飲用すると、ひどい消化器障害が起こりやすくなります。

 
WHOの勧告によって現在では、飲食物への使用は全面的に禁止となっています。

近年ではサリチル酸は、ニキビ対策目的の化粧品や、頭皮のフケ対策のためのシャンプーなどによく用いられています。

 
医薬品としては「サリチル酸ワセリン軟膏」という名前で使用され、5%と10%のものがありますが、当然10%の方が効果は強くなります。

美容皮膚科・整形外科などでは「サリチル酸ピーリング」として、皮膚の新陳代謝を促す処置に使用されます。

参考

くすりのしおりくすりの適正使用協議会

 
強い殺菌効果は皮膚科での水虫治療にも用いられます。

サリチル酸には水虫菌のひとつである白癬菌に対して1,000~4,000倍もの発育阻止作用があり、さらに角質層を軟化もあるため、水虫の治療薬に配合されています。

 

サリチル酸、ニキビへの効果は?

殺菌・抗菌作用で雑菌の繁殖を防ぐ

サリチル酸には、防腐剤として使用されるほどの高い殺菌・抗菌作用があります。

ニキビの原因となるのは毛穴詰まりとアクネ菌などの雑菌の繁殖ですから、サリチル酸は後者の原因を抑えることができると考えられます。

 
皮膚の雑菌をとりのぞくため、今あるニキビに対しては悪化防止になり、ニキビができにくい肌作りを目指すことができます。

角質溶解による毛穴詰まり防止

皮膚科でイボ取りやかかとなどのカサつきを診てもらうと、薬としてサリチル酸配合の軟膏を処方されることがあります。

サリチル酸の角質溶解作用によって、硬い角質を軟らかく溶かしていき、イボやカサつきを取り除くためです。

 
この作用は、美容目的の病院やクリニックでも「サリチル酸ピーリング」に利用されています。

ピーリングでは、古い角質を溶解・軟化することで排出を促し、新しく美しい肌への生まれ変わりを目指します。

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古くなった角質が排出されなければ肌はどんどん固くなり、毛穴が詰まりやすくなります。

鼻の頭などを触るとザラッとすることがありますが、これが毛穴に角栓が詰まっている状態です。

 
サリチル酸が角質を溶かせば毛穴が詰まりにくくなり肌がスッキリするだけでなく、ニキビ菌のエサとなる角質を取り除くことでニキビ改善が期待できます。

また角質が薄くなることで、保湿用やその他の化粧品の成分がより浸透しやすくなり、肌質改善に役立ちます。

 

サリチル酸、リスクや副作用はある?

刺激が強い

高い角質溶解作用や殺菌作用がある分、それだけ肌への刺激は強くなります。

そのためニキビ化粧品などで肌にサリチル酸が触れると、刺激が強すぎて肌荒れなどを引き起こすリスクがあり、十分な注意が必要な成分です。

 
また、肌質の個人差による合う、合わないの違いがあり、同じ商品でニキビが良くなる方もいれば、副作用によって肌荒れなどがひどくなる方もいます。

一般的な化粧品に配合可能な成分として認められているものの、医薬品としても使用される強力な成分であることを忘れてはいけません。

どんな副作用が起こる?

サリチル酸の強い刺激に肌が負けてしまうと、赤み、かゆみ、炎症や肌荒れが起こります。

毎日サリチル酸入りの化粧品を使用していると、殺菌し過ぎ、角質を溶かし過ぎの状態になり、上記のような症状を招きやすくなります。

 
ピーリングは本来、毎日行うものではありません。

使用頻度を少なくして週に1~2回程度にするか、炎症がひどい場合には使用を中止し、皮膚科を受診したほうが良いケースもあります。

ニキビが悪化する可能性も

角質を溶かすと肌がかなり乾燥するため、「サリチル酸入りの化粧品を使用して肌がものすごく突っ張った」という経験は、決して珍しいものではありません。

ニキビに悩んでいる方は「突っ張るぐらいの方が皮脂が減ってニキビに良いのでは」と思うかもしれませんが、実はこれは間違いです。

 
皮脂は過剰になり過ぎれば毛穴詰まりの原因になりますが、本来は肌を守るために分泌される物質です。

サリチル酸が過剰で肌が過乾燥になれば、体が肌を守るために、余計に皮脂分泌を促します。

 
大人になってからニキビが繰り返しできるのは、こうした「乾燥」が原因である場合がほとんどです。

皮脂の分泌が活発になる思春期であれば、サリチル酸入りの洗顔料などが効果的な場合がありますが、大人の肌では肌乾燥のリスクがあることを肝に銘じておきましょう。

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なかでも乾燥肌、敏感肌だという方は、サリチル酸入りの化粧品は避けた方が無難です。

肌の強さに自信がある方でも、まずはパッチテストをしてみてから使用することをおすすめします。

 
サリチル酸は刺激が強いだけでなく、あくまで現在あるニキビに対しての対症療法であって根本的な対策にはなりません。

化粧品での対策と同時に、乾燥対策や食事バランス、生活習慣の改善など、ニキビを悪化させるような要因を減らすことも大切です。

 

この記事のまとめ
・合成有機化合物であり非ステロイド系抗炎症薬として扱われる

・ニキビ対策のほかフケ対策、水虫薬、防腐剤、ピーリングなどに使用

・雑菌繁殖を抑え角質を溶かす作用でニキビ対策に

・刺激が強く、赤み、痒み、炎症を起こすリスク

・乾燥し過ぎてニキビが悪化する可能性がある